原点に還る

エッセイ

去年から来年にかけてあたりが、表現活動のターニングポイントになるのかもしれないなあと漠然と感じています。

昨年から《つなぐ》の制作に入って、原爆句集『広島』におさめられたひとつひとつの句に向き合っています。この仕事はなかなかに精神的にごりごりと削られるようで、持病の関係で人よりもメンタルの調子(脳内の伝達物質の不具合だそうですが…)が体の健康に直結している自分にとっては、日々の心身の均衡を保つのが最大の仕事になりつつあります。

そんなわけでこの春はいつもよりもそろりそろりと過ごしていますが、エッセイオペラの制作を始めてからは心持ちが圧倒的に楽になりました。精神的安全弁を得られたら、《つなぐ》制作のスピードも上がりました。不思議なものです。

そして明日はグラスゴーコンサート。故・渡邉陸雄先生門下で昔馴染みの千春ちゃんと、新しく繋がった舞美さんと、日本とドイツの二重唱を中心に歌います。メンデルスゾーン、シューマン、ブラームス。詩情豊かな美しい作品ばかりで幸せです。

今年は、年初の《冬の旅》から始まり明日のグラスゴーコンサート、そして4月のシュトラウス&ワーグナー特集、5月の《詩人の恋》……と前半はすべてドイツ音楽の時間となりました。その後もドイツ音楽の時間が続きます。イタリア音楽中心だった前半戦とは、時が違った流れ方を始めたように感じています。

来年は絵の個展も開かせていただきます。本当は今年を予定していましたが、いろいろパンク寸前になって延期させていただきました。時間をいただけた分、積み重ねていきます。

いろいろ多岐にわたってやっているように見えますが、おおもとはまったく同じで、すべてが子どもの頃に還っているような感覚です。あと、高二の時の文化祭。合唱とミュージカルを歌いながら、友達と詩画のグループ展やってたときのことを最近よく思い出します。三つ子の魂百まで、ってこういうことかと思います。

去年が開墾期、今年が種蒔き。来年からは育てていく時期に入るのでしょう。一昨年の年末に表現の道にがっしりと引き戻していただいた御恩に感謝しながら、しっかりと励んでいこうと思います。

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